訪問看護 難しい

訪問看護を敬遠する理由は?

看護師の転職や復職をサポートする企画として、看護師の就労先となる病院などが複数が出展するマッチング企画が全国的に行われています。
その会場では、地元の病院・診療所のブースには求職者の看護師が集まりますが、訪問看護事業者のブースにはあまり人が集まらない事が多いのです。
訪問看護に興味を持っている看護師や元看護師は多いのですが、実際に入職するとなると避けてしまうようです。
訪問看護を選ばない理由は何なのでしょうか?

訪問看護師を選ばない理由とは?

訪問看護師を選ばない大きな理由は、

 

"1人で判断する自信がない" から

 

というものです。

 

 

病棟看護の現場では、処置に関して自分の考えに自信が持てない場合に同僚看護師の意見を聞いたり、上司のアドバイスを受けたり、さらに医師も近くに居るので指示を仰ぐ事も比較的簡単にできます。実際に患者の様子を診たり、患部も見る事ができます。
ところが、訪問看護は基本的に1人で訪問しますから、すぐに同僚や医師に相談する事はできません。
先ずは、自分の判断で何らかの対応が迫られるのです。
この1人で考えて完結しなければならない、という厳しいイメージが訪問看護師の仕事を過酷なものとしてとらえ、転職や就業へのハードルを上げているのでしょう。

1人の看護師の負担を減らす基本的な施策

訪問看護の現場では、訪問した"1人"の看護師の負担を軽減する措置が取られています。
それは、担当1人だけで患者を看護する、というものではなく、チームとして看護するというものです。
基本となるのは、情報の共有です。朝夕のミーティングや日誌はその中心です。
また、午前中の訪問を終えてステーションに戻り、同僚と共に昼食を取る時間や午後の訪問へ出かける前の時間も貴重な「報・連・相」の時間になります。
直行直帰のできる訪問看護ステーションもありますが、これらの朝昼夕に看護職員が一同に会する機会はとても重要なのです。

1人の看護師の負担を減らすITの施策

訪問看護はITを取り入れて進化しています。
従来の、電話連絡や日誌や報告書に替わり、スマホを活用したシステムを取り入れている訪問看護事業所もあります。
手書きの日誌や報告書ではなく、患者情報をスマホのフォーマットに入力して、看護スタッフの誰でもが何処に居てもいつでも、患者情報を確認する事ができるのです。
さらに、文章による表現だけではなく、その場で患部の写真を撮って、それをステーションに居る管理者に送信して、管理者はさらに主治医にそれを転送して指示を受ける、という事も簡単に行えるようになりました。

 

デジカメで患者の写真を撮って、それをメールに添付して送るという少し前の方法よりも、専用アプリを取り入れる事により作業性が格段に上がりました。専用アプリを常時利用する事により、ステーションや主治医への質問も遠慮なく行えるという精神的な気軽さもあります。

看護師も患者も安心なシステム

スマホにより患者の状態が看護スタッフ間で共有でき、主治医の指示まで仰げるシステムにより、訪問看護師の精神的負担はかなり軽くなっています。
これは同時に、患者や患者家族にとっても安心なシステムと言えます。
例えば褥瘡が酷く悪化していると思われる場合に、訪問した看護師が同じ薬で同じ処置をした場合、患者家族は本当にそれで良いのか、と心配になりますが、送信された写真を主治医がリアルタイムで確認した結果としての継続処置であれば、家族も安心して受け入れ事ができるでしょう。
訪問した看護師1人の判断だけでなく、"直接患部を見た" 医師の判断も加わっている事がわかるからです。

看護の手技は自主的にトレーニング

訪問看護を選ばない理由に、「1人で判断する自信がない」というものがありますが、

 

「1人で処置する自信がない」というナースもいるかもしれません。
医療分野には多くの診療科目があり、それぞれの科で経験を積んできた看護師にとって経験のない診療科目の手技などには苦手意識があると思います。
これは、事前にトレーニングして自分のスキルを上げれば、患者宅を訪問しても困ることはありません。
先ずは、担当になった患者に必要な手技を徹底的にトレーニングする事です。

"100%準備して臨めば失敗はない"

現在の症状から今後起こり得る状況を想定して、それに対する準備をする。
今後必要となり得る看護の手技を事前にマスターしておく。
「想定」する際には自分で考える事も大事ですが、前述したミーティングの場でその話題を出して同僚先輩看護師の経験談を引き出して自分のものにする事も必要です。医師と話す機会が有る場合も、今後の展開について医師の意見を聞いておく、という小さな努力も必要でしょう。

先輩看護師のサポートと自主的な同行

訪問看護事業者によっては、最初の数か月は単独での行動はせずに、先輩ナースと共に訪問看護を行なう方針のところもあります。
この方針ですと、「判断」に関する問題と、
「手技」に関する問題の両方を解決する事ができます。
訪問看護事業者を選ぶ際の条件として、初期の研修や先輩の同行を入れて選べば安心です。

患者に関わる以上、常に勉強すべし

勿論、時間を節約できるという点に着目して訪問看護師を選ぶ方もいるでしょうが、看護師としてスキルを維持する、さらに向上させる為の勉強時間は、勤務時間とは別ものとして考えなければなりません。